空中楼閣*R25

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2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

見えない世界で

貴女の深いところで、私の先端がきつく締め付けられる。シーツに顔を埋めた貴女の指先が枕に食い込んでいる。 掲げた腰が崩れないように抱え込んで、その手の先で濡れて膨らむ雌しべの感触を確かめる。「もっと膝を拡げて」 「はぅ・・ああ」 闇の中で白い肌…

感じる唇で

人はいつも想像を感じ取り、推測で行動をする。しかも、想像と推測が正しかったかどうかは、少しだけ過去の感覚でしか知る術が無い。 何故って、単純な反射運動でないかぎり最低でも三つの神経を経由するから、1/100秒を絶対に超えられない。 いつも人…

揺れる視線で

視神経は100万個しかないらしい。つまり100万画素という粗悪なカメラで人は外界と接している。しかも網膜の真ん中でしか、色彩を感じないというお粗末さなのだ。「でも綺麗に見えるわよ」 それは錯覚で、ほとんどは数秒前の映像と今の映像を勝手に合成…

・・零れ落ち

彼にとって、私が邪魔になってしまうなら、彼は言うだろう。「水槽、開けてくれるかな」 私にとって彼が要らなくなったなら、私は自分で水槽を後にする。多分、彼は私を笑顔で見送ってくれる。 でも、彼が水槽を開けて欲しいといって、私は水槽に居たいと言…

溢れ出て・・

落下する水の音は、次第に耳から消えて、無意識の心を揺らす心地よい音になる。 アクリルで作られた透明な箱には、オーバーフロー式の海水が蒼く静かに煌めいている。彼が創った世界に、私は棲んでいる。 箱は上下になっていて、隠れている下の箱では、上の…

狂気となるのは

境界が曖昧になっているのに、肌の感覚が全て快感に置き換わってしまう。それが自分でも不思議な程に敏感になっていた。 あの時のことを、貴女がそう教えてくれた。「あ・・蕩けてる・・私の腰」 ゆっくりと揺れながら、視線を宙に漂わせて独り言のように呟…

壊れる瞬間

「自分でも信じられないの。こんな気分になるなんて」 床に横座りをして両手を床に突いた貴女が、潤んだ眼差しで私を見上げている。 涙を浮かべているのは、たった今、私の硬くなったものを喉の奥まで呑み込んで唇を濡らしていた貴女の頭を、逃げられないよ…

嫉妬について

「その当時のあなたを知らない自分が悔しいわ」 そんな昔に貴女と出会っていたとして、その時から恋に落ちていたとしたなら、初めて貴女とキスをした、あの霧雨の夜が巡り来るまでに、私は何度も貴女を裏切り、悲しませ、泣かせたことになる。 そもそも、キ…

砂漠の盗賊の格言

人は腹が減ると考えなくなる。 人は考え過ぎると、心を忘れる。 人は心を奪われると、全てを見失う。 さて、私は今、何処にいる。 何を忘れ、何を失っているのか。何に飢え、何が満ちているか。何に気づき、何をすべきなのか。 悩むべきなのか、それとも・・…

私から

交わった後の気だるい微睡の中、腕に感じる貴女の頭の重みは気にもならなかったのだけれど、頬に触れる髪先が妙に煩わしいと思ってしまう。 一度、そう感じてしまうと、貴女の髪先が触れる度に、気づかれないように顔を離してみたりする。 それでも、何も知…

貴女から

「もう嫌になちゃった」 いつもより無表情なキスの後で、貴女が言った。「与えてばかりなんだもん。私」 貴女は時々、時間の流れを間違えているのでは、と私が思ってしまうくらいに唐突な事を言い出す。だから、いつもの事かと最初は思った。 ただ先々週のキ…

白秋の紅い実に(4) 

「うぅ・・ぁあん」 桜色の花びらを歪めるようにして、貴女の指が蜜を弄る。 濡れた指の節や品の良いネイルカラーに、白く濁ったのような粘液が絡み着く。それが貴女が溜め込んだ性の澱ものにも見えた。 年老いた主を愛撫する動きに熱が加わり、唇からも音を…

白秋の紅い実に(3)

濡れて震える粘膜を貴女の揃えた指が被った。中指を幾分、押し付けるようにして、その手がアヌスの近くから飾り毛の起伏のほうへと引き戻される。 後ろの粘膜の収縮とともに、二つのホクロが蠢いた。「あ・・ああ」 男の腰から顔を上げて、貴女が喘いだ。 中…

白秋の紅い実に(2)

自転車を漕ぐ女は、なんて色っぽいのだろう。 特に、片手が塞がったままで、膝丈の窮屈そうなスカートの裾を気にしながら、交互に持ち上がる膝の内側を摺り合わせるように漕ぐ姿には、つい視線を留めてしまう。 その女は、片手の黒い日傘を持ち、白いシャツ…

白秋の紅い実に(1)

閉め切った部屋の中では、秋の陽射しの強さだけを感じた。 その陽射しに灼かれるように、目の前では白く眩しい裸の腰が全てを曝け出していた。 私は、高価そうだけれども時代がかったペルシャ風の緞通の上に、スリッパ履きで、やや低めのソファーに腰を下ろ…

蜜に溺れる

まるで、もう一つの性器みたいじゃない、と思ってしまう。 拡げた私の腰に顔を埋めて、彼がキスをくれる。粘膜で出来た触覚みたいな舌を尖らせて、一番、敏感な部分に留まっている。 じれったいような刺激に快感が広がって、腰は自然に波を打つ。背中が浮い…

花に耽る

ここも生殖器なのではないかと、思ってしまう。 貴女の腰に顔を近づけて、開かせた膝の下に肩を入れた。小さな雌しべに先端で触れただけで、付け根から液体が溢れ出て、舌先から貴女へと滴り落ちていく。 私の唾液が透明な膜で貴女の粘膜ヒダを包み込む。舌…

花を愛で、花に戯れ、花に溺れる

花写り いつしか枯れたカンナの赤を 写し取るのは・・曼珠沙華 その鮮やかな紅色を 白に移して、淡く薄め 気が付けば秋桜の花・・秋空に揺れ。 青みがかった紫の花が庭に絶えないようにと、春先から秋まで一草ずつ、こっそりと植えていることを家人は知らな…

ノルウェイ製の家具

昔、僕には彼女がいた。いや、正確には彼女が僕を飼っていたと言うべきだ。 彼女は僕を部屋に入れてくれた。それから、女の子が好きそうなデザインの安っぽい家具を見せて、こう言った。「ねえ、素敵だと思わない。このノルウェイ製の家具」 彼女は僕に「一…

シャングリラ疑似体験

もうダメかと思っていたら、不意に訪れた最後のチャンスみたいに蝉が鳴き出した。昨日からまた夏の気温が戻ってきた。予報でも、これが最後の残暑らしい。 そんな蝉の声を遠くに聞きながら仕事の合間に見るデスクトップでは、黒のブラとショーツに、黒いハイ…

ルーム・イレブン

風がすっかり秋の色だ。冷えるくらいの涼やかな風だから、湿った文章を書くのが憚られてしまう。 むしろ、こんな日には「ルーム・イレブン」でも聴きながら、テンションを上げて仕事に向かいたいくらだ。 でもまあ、すでに頭の中には続編は出来ていて、後は…

白昼夢に誘われて(3)

沈み込んだ意識が闇の中から浮かび上がってきたかと思ったら、見開いた瞳はまだ暗闇に包まれていた。身体が重く気だるかった。 火照った肌が濡れて、夜風が気持ちがよかった。「いけない。また眠ってしまった」 そう思いながら暗くなった部屋の天井を眺め、…

水曜の独り言

少しは、しっかりと書いてみようかなどという気になって来た。始めると終わりまで書かなくてはと思うのは、もう止めよう。自分のために書くのだから。題名は、そうだな。題名はなしでいいか。 惑星というのは、惑う星という意味だろうか。確か、そんな記憶が…

白昼夢に誘われて(2)

規則正しい振動が汗ばむ身体を腰から揺らした。それが、電車の揺れなのか、それとも男が突き動かすせいなのか判らなかった。 座席がほとんど埋まった昼下がりの車内に、途切れながら響き渡る声が自分のものとは思えなかった。潤んだ視線の先では、濡れた飾り…

白昼夢に誘われて(1)

夜気を含んだ風が頬を撫でた。その冷ややかさに目蓋を開いた時には、もう部屋の中は薄暗くなっていた。汗ばんだ首筋を手で拭うと、驚くほど濡れていた。 頭を少しだけ持ち上げて、枕代わりに敷いたタオルを引き抜いて汗を拭った。微睡みから目覚めきれない肌…

2006年 夏の終わりに

その年の梅雨明けに新しい場所で書き始めたとき、今までとは違った気持ちで、少し改まって、それでいてかなり自分の欲求を素直に表現した文章を綴ることが出来た。 ただ、文章も雨粒や木々の葉と同じで数が増え、密度が増すと、その場を形作る。ある意味、そ…

秋の音色

秋風がふわりと貴女の腰を抱いて、軽いスカートの裾を揺らした。 颯爽と木立を歩く貴女の、すらりと交差する脚のシルエットを強い陽射しが透かす出す。 いつまでも夏を惜しむような蝉の声が降りそそぐ森を抜けたら、スカートを捲りあげ、両足を思い切り開い…

蜜の距離

ここしばらく連絡を取っていない。男女に限らず、人の距離とは不思議なもので、同じ距離を続けると感度が鈍くなってしまう。 離れ過ぎれば、そのまま疎遠になり、近づき過ぎれば、その事に慣れてしまう。そのほうが都合の良い関係なら、それもいい。けれど、…

微睡みの午後

陽射しだけが強いが、窓からの風はさらりとした秋の風だった。涼やかな匂いと滑らかな肌触り。少し湿ってひんやりとした貴女の太腿に頬を預けた。 粘膜のフリルに薄膜を張ったようなストッキングの部分を爪の先で撫でただけで、粘液が糸を曳いている気がした…

九月の秘密

口にくわえたままで、顔を近づけていく。見つめる貴女の眼差しが危うくなって途切れそうになる。唇が開いて、震える声とともに舌が溢れでる。 迫り出して内側の起伏を見せていたスミレ色の粘膜は、その中心に突き刺さっていく銀色の金属のマドラーで、押し戻…