空中楼閣*R25

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2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

シュレッダーと学生保険

開業以来の個人データーが7000は超えている。二回以上訪れる人もいるのだから、少なくとも一万枚ほどの個人データーの用紙が溜まっていることになる。 先月から、その裁断を始めた。ところが、これまた開業以来の小さなシュレッダーで処理を始めたので、…

春の宵にはポルトガル

出会いは、ちょっとした思い込みによる勘違いだった。 随分と昔に、手術室で流していたBGMをコピーして持っていた。ただ、一曲だけ曲名を記した紙と曲順が違っていた。 コンピレーションのそのアルバムから、その奏者のオリジナルを聴きたくなって、ネッ…

小説家に

「嘲るような女達の笑い声や男達の吐く卑猥な息の音が聞こえた。空を切る鞭の音、背中の痛み、喉の嗚咽、そして私の、泣き声。私、泣いていた」 髪を後ろに強く引かれて、上を向いたまま苦しそうに貴女が続けた。「閉じれない膝で四つん這いのまま、闇の中で…

妄想の枷

「口を開けなさい、と彼が私に言った。一瞬、躊躇うと風を切る唸りとともに、乳房に鞭が弾けた。声にならない悲鳴と上げながら、私は天井に向かって口を開けた」 椅子に座って両腕を背中に回した貴女が、目を閉じて背中を反らした。物語を紡ぐ喉元が白く艶め…

創作楽市

私をそのサイトに誘ったのは、貴女だった。知人が立ち上げるので、参加して欲しいとのことだった。「お伽噺を信じていた頃・・」 私が作品を寄せる代わりに、と、貴女は自身の淫らな物語をそう語り始めた。「薔薇の花びらのベッドで、優しい瞳の王子さまに抱…

日記(桜の蕾、揺れる夜に)

やっと某局の五月分の原稿を書き終えた。どうも今回は調子が悪い。不作だ。こんな調子で八月まで後十三作品、書けるだろうか。 突然の春の風の中、突然に交わりたい。闇の中、はばかりのない声を上げさせたい。 人は、ふと、道を踏み外すのかもしれない。己…

日記(菜の花が咲いた朝に)

ひと息に、黄色に染まった。道の両脇で一面の菜の花が揺れる。「菜の花と聞くと、あなたの『春の駅』という文章を思い出すわ」と貴女。 実は私も、あの光景を思い出す。ローカル線の無人駅で時刻表も必要ないほどにしか便がない列車を、あてもなく待っていた…

悦楽の淵で

貴女の欲望のシコリを突き動かすたびに、私を締め付けて来る。その間隔が短くなって、やがて緩むことが出来なくなってくる。 そんな頃には、貴女は溢れ出る声を押しとどめようと、自分の唇を手で被ってみたりもするのだが、それも長くは続かない。突き上げる…

永遠の「瞬間」

その瞬間、腰を震わせながら私を抱き締める。 その瞬間、緩めた唇のまま足先を反らす。 その瞬間、右半身に鳥肌を立てる。 その瞬間、胸元に桜色の染みを浮かべる。 貴女は、その瞬間の自分の肌を知らない。自分の表情を知らない。自分の淫らを知らない。 そ…

日記(三月の嵐の夜に)

冷たい風に雨が舞う。 こんな夜のドライブには、リック・ブラウン(音が出ます!)「Kisses in the Rain」 びしょ濡れのキス、というよりも、 キスの嵐・・がいいかも

心なんて

朝、目覚めて、今日も目覚めた事にそれほどの感慨もないのだか、何となく人生が続いているのか、と半ば安堵する。「心を閉ざした方が、感じられるわ」 明日の朝、目が覚めないのではないか。もう二度とはこの世界に戻れないのではないか、と眠るのが怖かった…

恋なんて

灰色の地平線を見つめて「ロシアみたいな空・・」と貴女は言う。窓の外では、枝だけになった雑木林が春を待ちながら風に震えていた。 私は静かに体を起こして、裸のままベッドの上に膝で立って空を見上げている貴女の腰に、後ろから腕を回した。 鈍色の光が…

キスが欲しい場所へ

限られた「はてな」の招待者の方は気がつかないかもしれないが、実は、昨日からプライベート・モードになっている。つまり非公開モードなのだ。 認証には「なぞなぞ」の回答スペースに、文字を打ち込まないといけない。「キスが欲しい場所、という質問にして…

ホテル・コステス

夜半には抜けるはずの狭い等圧線が、朝まで残っていたみたいだ。北西からの冷たい風に、時々、車が揺れる。 中学に入る前だったか、一度だけラジオ短波に耳を傾けて、等圧線を白地図に描いたことがあった。 知らなければ暗号の羅列のような数字が、淡々と読…

言葉すさび

電車が揺れる度に顔を近づけて、耳元で囁いた。「膝を少しだけ開いて」 「あ・・だめ。落ちちゃう」 貴女のスカートの中では、黒の網タイツに支えられたティー・スプーンが三本、柄のほうから花びらに突き刺さっている。 匙の部分が背中合わせになるように、…

指遊び

吐息とともに引き抜いた貴女の中指と薬指には、トロリと粘度の高い分泌液が絡み付いていた。「うぁ・・何これ、いやぁん」 奥を見せた花びらの左の茜色にも、白濁が垂れ落ちていた。「いつも、そんな愛液を垂らしてるんだ。ヨーグルトか、蜜蝋みたいだ」 ほ…