空中楼閣*R25

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2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ガラスの箱で(4)

絶え絶えの呼吸の間に、貴女が潤んだ瞳で懇願した。「おねがい・・キスして。キス、欲しい」 全身の震えが収まった後も、思い出すように沸き起こる痙攣に足先を強ばらせていた。 私は両手を緩やかに動かし続けながら、浅くなる性具を縋るように追いかける粘…

柔らかな空気

枯れ木になって初めて見えるものがある。 ここ数日は朝の冷え込みがなく、空気まで柔らかい。冬空に広がった雲のお陰だ。凛と澄み渡る冬の青空も良いが、冷え込みが厳しい。 10メートル以上はある高さの楠の巨木。その頂上に大きな巣を見つけたのは、風が…

ガラスの箱で(3)

貴女は震える声で泣いたかと思えば、突然、快感に喘ぎ、激しく呼吸したかと思えば、息みながら戦慄いては大きく呻いた。 括られた足の先を宙で揺らし、足指を曲げたり伸ばしたりして、次第に肌を桜色に染めていく。「逝きそうだね。尿道とアヌスだけで」 「…

風に舞う花

北の方角をおおう雪雲の遥か彼方に、オレンジとブルーの空が雪の山々を照らし出す。貴女の空も同じだろうか。 とても淫らな光景が、ここ数日、脳裏に浮かんで消えてくれない。 貴女自身の両手が秘めやかな部分を大きく拡げ、内側のピンク色の波紋まで晒して…

ガラスの箱で(2)

飴色の管を静かに引き上げると、機械仕掛けのように貴女が細く声を震わせた。抜かれていくゴムの管にすがって、尿道のピンク色の粘膜が内側まで見せて迫り上がる。 ついには追いすがれなくなって、粘膜が元の穴へと落ちていくと、そのすぐ上では大きく膨らん…

転生するなら

今、気がついた。生まれ変わるなら大きな樹になりたいと思っていたけれど、今、ふと気がついた。 今日は朝からの冷たい雨。不意に窓の外から鳥の鳴き声がした。風の強い冬の日も、晴れ渡る夏の日も、そうだった。鳥の声が聞こえるだけで、私の心はとても穏や…

心地よい事

日長、気ままに文字を綴り、週三回の運動と週一回の貴女との情事。そんな日々があれば、他には何も要らない・・などと、思えるようになってしまった。 以前なら、そんな事では満ち足りはしなかった。少し前なら、それも良いかなと思いつつも、寂しさを感じた…

ガラスの箱で(1)

悲鳴というよりは、すでに泣き声だった。それも抑揚のある甲高い啜り泣きだった。震えながら細くなったり、戦慄くように低くなったりして、淫らな音色を響かせていた。 私の手は飴色のゴム管をゆっくりと上下させている。摘んだ手元にある管の穴から、時折、…

耐え難い日々は

「今日は良い事があった」とある人は嬉しそうに言う。「寝て起きて、仕事して、一日が過ぎて、一年が過ぎて、そのまま死んで行く。そんな人生でいいのだろうか」と数日前に、その人は言っていた。 どちらも人生。どちらも日々。

アタタカイ

冷たい雨が上がった朝だったので、晴れ渡っても冷たい風なんだろうなと思っていた。 昼になって、ようやく外に出て、風の生温さを知る。 春を思うようで少し嬉しかったが、この季節に、この温さは気味が悪い。温かいのは風、季節のほうは暖かいと書くのだろ…

吐息の部屋で 〜冬の物語〜

貴女が髪を揺らすたびに、猫がミルクと舐めるような音がした。日が陰るとすぐに冷たさがフローリングから凍みてくる。 窓の外はとっくに暗くなっていて、多分、南の空には青白い月が輝き始めているだろう。 忍び込む冷気の中で私の部分だけが、貴女から潤ん…

冬の物語(3)

指に付けたワセリンを塗り込むように、親指と中指で挟んで擦り合わせる。 白いシーツに横たわる貴女の腰をすこしだけ開かせて、包皮に守られて眠る小さな突起を付け根から、そっと摘み上げていた。 緋色の粘膜の温度に、ワセリンに含ませたメントールの香り…

夢の場所 〜冬の物語〜

いつも同じ場所だった。日当りの良い彼の部屋は、冬だというのに二面から降り注ぐ太陽の光で汗ばむほどだった。 私は、その彼の部屋の広いデスクの上で意識が戻る。腰の下が冷たい。朦朧としたまま、手を伸ばすとデスクが濡れていた。「今日も沢山、漏らした…

冬の物語(2)

元旦から三夜連続で夢を見た。 実のところは、見たというよりも、見たらしい、が正確なのだ。内容は連続というよりは三本立てで、しかも、今となっては陽炎ぐらいにしか憶えていない。 ただ、どんよりとした甘い快感だけは憶えている。 誰でも、三時間以上の…