ガラスの箱で(1)
悲鳴というよりは、すでに泣き声だった。それも抑揚のある甲高い啜り泣きだった。震えながら細くなったり、戦慄くように低くなったりして、淫らな音色を響かせていた。
私の手は飴色のゴム管をゆっくりと上下させている。摘んだ手元にある管の穴から、時折、液体は溢れ出ては私の手首まで濡らしていた。
黒いレザーのソファに腰を埋めて貴女は啼いていた。両手を背後で縛られ、両足をそれぞれ膝の上下で縛られている。紫色の縄が、貴女の膝を深く折り畳んだまま、左右に大きく拡げていた。
痙攣のたびに折り曲がり反らされる足指は、ソファーの肘掛けの上で宙に浮いていた。
割られて剥き出しの腰は半分以上ソファから引き出されて、浅く腰かけているというよりも、ソファーから迫り出している感じだった。
淫らに濡れた紅い粘膜が、天井に向かって震えていた。
部屋のドアに鍵をかけると、上着はそのままに抱き寄せることもキスもしないで、腰を剥き出しにさせた。裸の白い腰を黒く艶めいたソファーの上で拡げさせた。
腰が閉じられないように、両足を縛りつけた。貴女の手が邪魔しないように、両手を背中で拘束した。
「キス・・してくれないの」
不安そうな顔で貴女が乞う。
「後であげるよ」
と、言いながら私は指先に淡いブルーのローションを一滴だけ落として、糸を曳かせる。
晒されて息づいている貴女のアヌスは、窄めた唇のように粘膜を心なしか突き出していた。
「欲しそうな顔してるよ・・アヌス」
貴女の視線が緊張した。
「だめ・・そこ、イヤ」
「そうじゃないでしょ」
緊張した視線の先が曖昧になる。
「は・・い。下さい」
ソファーの上で拡げられた粘膜を覗きこむように顔を近づけた。それだけで、貴女の呼吸が妖しくなった。
「今日は、こっちから」
私の指は貴女が欲しがった場所よりも少し上の、微かに色素沈着した花びらに守られた小さいな窪みに触れた。
「ああ・・何・・そこ何」
静かな部屋に声が響いた。
「ここ気持ちイイんでしょ」
指先で雌しべの下にある窪みを解すように撫で回すと、小さな穴が口を開ける。
「オシッコ、出してあげる」