空中楼閣*R25

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2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

妄想な日々

膝立ちになって両腕を背中に回すだけで、貴女はいつものように顔を少し上げ、目を閉じる。 僅かな静寂が貴女を愛撫したかのように、赤い唇が微かに開くと、もう肌の温度が熟してしまう。「膝を開いて」 その言葉だけで、滴り始めるはず。音も無く、床を滑っ…

舞い降りる

男達に自分を刻み付けて死んだ女がいた。引き止める男達の悲鳴を受信しながら、飛び降りる実況までして消息を絶った。 人は死を意識した時、自分の存在を残る人達に刻み付けたくなるようだ。自分の培ったものを伝えたいと切望する場合もあれば、自分の傷を人…

非対称な感覚

肩口から右胸、その膨らみから脇の下へと指でなぞると赤い唇が緩んで、貴女が背を反らす。「右が感じるね。左よりも」 微睡みから引き戻されたみたいに、目蓋を開いた貴女が視線を私に結ぼうと瞳を揺らした。「そうなの。判らない」 「そうだよ。全部、右が…

脳梁の厚み

「そろそろ本腰入れようかな」 「ええ、今までは浮気だったの?」 「違うよ。右脳だけでなくて、左も使おうかと」 「女は最初から、全部、使ってるわよ」 左右の脳を繋ぐ部分、脳梁の太さは男女で完全に違う。脳は神経の塊で、脳梁はその神経からの電気を伝…