非対称な感覚
肩口から右胸、その膨らみから脇の下へと指でなぞると赤い唇が緩んで、貴女が背を反らす。
「右が感じるね。左よりも」
微睡みから引き戻されたみたいに、目蓋を開いた貴女が視線を私に結ぼうと瞳を揺らした。
「そうなの。判らない」
「そうだよ。全部、右が感じる。ここも」
上げさせた二の腕を頬張るようにキスをして、そのまま舌先を脇の下の起伏に滑らせた。
「ん・・ああ」
「ほら、ね。右半分に鳥肌が立ってる」
「わあ、本当ね。あ・・」
「ん・・どうした」
「中もそうかな・・私のなか」
貴女のその好奇心が、私は好きだ。心が踊って顔が緩んでしまう。そんな私の表情を見つけた時の貴女は、満足げで嬉しそうだった。そして、その貴女の顔を見るのも、私は好きだ。
二人の間で、止めどなく巡って、甘さが増幅して行く。
「どうかな、こことか」
「あ・・うう」
沈めた指の先で貴女が震える。
「まずは左側、それから右側」
「あっ・・そこ・・え、どこなの・・ダメそこ」
沈めた指を折り曲げて、貴女を揺らした。
「あああ・・そこ、イイ」
蜜の音に顔を近づけて、赤くなった小ささに唇で触れる。
「あん。ああ、だ・・めぇ」
「ここの左側は・・」
と、舌先でくすぐる。
「次は右側」
小さな突起の左右を撫でる。
「ね、ねえ・・」
私は指を力を緩めて、少しだけ貴女から抜くと、今度は真ん中の天井を強く押し上げた。
「あうう、それ、それがいい」
「真ん中なんだね」
貴女の内側は、真ん中が一番、感じるらしい。
「クリトリスも真ん中がいいのかな」
「あん。そんなの・・わからない。でも・・」
「でも・・何」
「私のね・・私の心は、多分、真ん中にあるわ」
だから、ここが気持ちイイんだね。