空中楼閣*R25

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2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

性愛事情

シャドーの色を見せながら、目蓋を閉じる横顔が白いシーツに埋もれていた。「今までの彼達は、どんなふうに貴女を揺らしたの」 「え・・そんなこと」 気持ちのいい微睡みの途中で揺り起こされたかのように、甘く気だるそうに貴女が呟く。「答え難いよねえ。…

恋愛事情

ココ・シャネルは、「打算のない恋愛をするには、まず女性の経済的な自立が必要だ」と言ったとか。 裏返せば、生計を一つにする男女に打算のない恋愛は育たない、という事か。 愛だけでは空腹は満たせない、とか、金の切れ目が・・とか、とかく恋愛事情には…

貴女のカタチ

「そんな事を言われたら、どうしたら良いのか・・」 貴女の困った顔がとても可愛い。私は、どうしても少しだけ貴女を虐めるのが好きみたいだ。困った男だ。「女性はキャンバスに新しい恋を上塗りするのでしょ。だから、そのキスの仕方は」 「え・・?」 ほら…

キスのかたち

男性は、描き終えたキャンバスを壁に並べたりするのだが、女性はキャンバスに新しい恋を上塗りするらしい。 ふと思う。貴女との初めてのキスのとき、貴女のキスは、まだ一つ前の恋のときの唇のカタチだったのだろうな、と。 そう、一つ前の彼が教えたキスの…

ダイニング・テーブルとティー・スプーン

彼に誘われるまま、私はショーツを脱ごうと膝を折り曲げた。・・あ、冷たい。膝頭がショーツの潤みに触れて、すっかり濡らしていることに自分でも驚いた。 目を凝らすと、潤みが細い銀色の糸を曳いていた。「ダメ、これ以上、日常に入り込まれたら・・私」 …

休日のオフィス

台風が汚れを洗い流したような青く澄んだ光が、天空に広がった日。早目にオフィスまで来た。所用までは、まだ2時間ほどある。 がらんとした空間の駐車スペースを眺めながら、なんだか懐かしい気分になった。 そういえば、昔から休日の職場が好きだった。ど…

失うとは

二人で鍋をつつきながら、軽い気持ちでふと疑問を投げかけてみたら、貴女が言葉を失った。「え・・言葉がないというか、今更というか。まさか嘘でしょ、という感じ」 先週あたりに、なんとなくそうではないか、と思い始めて、貴女の言葉でやっと確信できた。…

模索の日々

そもそも論語の教えにしたって、反面教師みたいな警告文だろう。蹴つまずく人が誰もいなければ、足元注意、とは掲示しない。誰もゴミをすてなければ「ゴミ捨てるな」と看板は立てない。 十五にして学問に志など持てず。三十にして独立など程遠い。四十にして…