ガラスの箱で(2)
飴色の管を静かに引き上げると、機械仕掛けのように貴女が細く声を震わせた。抜かれていくゴムの管にすがって、尿道のピンク色の粘膜が内側まで見せて迫り上がる。
ついには追いすがれなくなって、粘膜が元の穴へと落ちていくと、そのすぐ上では大きく膨らんで身を乗り出した雌しべが、数回、頷いて波打つのだった。
「ここ、気持ちよさそうだね」
「うぅ・・うう」
刺激された貴女がソファーの上で背を反らし、緊縛から逃れようと身を捩った。カテーテルの口から体液が溢れる。
「ほらほら、動くとあちこち汚しちゃうでしょ」
拡げた太腿と足先に水滴が散った。
管に力を伝えて押し付ける。小さな口が一度、窪んでからカテーテルを受け入れると、貴女の呻き声が一瞬だけ途絶える。
「・・あ、ああ」
指を止めると安堵したような溜息を吐き出した。
「今度は、こっちもしてあげようね」
私は、もう一方の手の指にローションを塗り付けてから、喘ぐ花びらの下で尿道口と同じように窄んだり、緩んだりする放射状のヒダの中心に触れた。
「はぅ・・ああん」
触れた刹那に閉じたアヌスが、声とともに弛緩した。指の先を微かに忍び込ませて粘膜の縁に擦り込むように円を描く。今にでも奥へと引き込まれそうだった。
「あっ、だめ。そんな」
見開かれた貴女の目は焦点を結ばないまま宙を漂った。
「簡単に呑み込まれそうだよ。指」
そう言いながら、同時にカテーテルも動かした。
「い・・いや。だめ・・ああ、だめ、でちゃう」
髪を乱す貴女を眺めながら、敢えてゆっくりと尋ねた。
「何が出るのかな」
「ああ・・わかんない。なんか、ああ、もう全部、でちゃう」
「じゃあ、全部だしなさい。全部」
私は入り口を撫でていた指をゆっくりと沈めた。沈めながら、カテーテルの動きを大きく早くした。まるでバイオリンを弦一杯を使って奏でるように。
「い・・ぃ・やぁ・・ああああ」
貴女が叫ぶ。滲んだ涙が流れ落ち、嗚咽となった。私の人差し指が付け根まで貴女のアヌスに埋もれた。
「出してもいいよ。全部、見せなさい」
沈めた指で静かに貴女を掻き乱し始める。奏でる弦は緩やかに大きく速く動かした。