空中楼閣*R25

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ガラスの箱で(2)

 飴色の管を静かに引き上げると、機械仕掛けのように貴女が細く声を震わせた。抜かれていくゴムの管にすがって、尿道のピンク色の粘膜が内側まで見せて迫り上がる。

 ついには追いすがれなくなって、粘膜が元の穴へと落ちていくと、そのすぐ上では大きく膨らんで身を乗り出した雌しべが、数回、頷いて波打つのだった。

「ここ、気持ちよさそうだね」
「うぅ・・うう」

 刺激された貴女がソファーの上で背を反らし、緊縛から逃れようと身を捩った。カテーテルの口から体液が溢れる。

「ほらほら、動くとあちこち汚しちゃうでしょ」

 拡げた太腿と足先に水滴が散った。

 管に力を伝えて押し付ける。小さな口が一度、窪んでからカテーテルを受け入れると、貴女の呻き声が一瞬だけ途絶える。

「・・あ、ああ」

 指を止めると安堵したような溜息を吐き出した。

「今度は、こっちもしてあげようね」

 私は、もう一方の手の指にローションを塗り付けてから、喘ぐ花びらの下で尿道口と同じように窄んだり、緩んだりする放射状のヒダの中心に触れた。

「はぅ・・ああん」

 触れた刹那に閉じたアヌスが、声とともに弛緩した。指の先を微かに忍び込ませて粘膜の縁に擦り込むように円を描く。今にでも奥へと引き込まれそうだった。

「あっ、だめ。そんな」

 見開かれた貴女の目は焦点を結ばないまま宙を漂った。

「簡単に呑み込まれそうだよ。指」

 そう言いながら、同時にカテーテルも動かした。

「い・・いや。だめ・・ああ、だめ、でちゃう」

 髪を乱す貴女を眺めながら、敢えてゆっくりと尋ねた。

「何が出るのかな」
「ああ・・わかんない。なんか、ああ、もう全部、でちゃう」
「じゃあ、全部だしなさい。全部」

 私は入り口を撫でていた指をゆっくりと沈めた。沈めながら、カテーテルの動きを大きく早くした。まるでバイオリンを弦一杯を使って奏でるように。

「い・・ぃ・やぁ・・ああああ」

 貴女が叫ぶ。滲んだ涙が流れ落ち、嗚咽となった。私の人差し指が付け根まで貴女のアヌスに埋もれた。

「出してもいいよ。全部、見せなさい」

 沈めた指で静かに貴女を掻き乱し始める。奏でる弦は緩やかに大きく速く動かした。