ガラスの箱で(3)
貴女は震える声で泣いたかと思えば、突然、快感に喘ぎ、激しく呼吸したかと思えば、息みながら戦慄いては大きく呻いた。
括られた足の先を宙で揺らし、足指を曲げたり伸ばしたりして、次第に肌を桜色に染めていく。
「逝きそうだね。尿道とアヌスだけで」
「あぅ・・いやぁ」
私は貴女の中から指を抜いた。カテーテルの端を波打つ下腹部にそっと置いた。
「これ、欲しいよね」
水色の電動ディルドを手にして貴女に見せるように掲げる。
「ああ・・前に、前に下さい」
「そこじゃないでしょ」
白い下腹部の上に、滴を零しているカテーテルを指で摘み上げた。再び、ゆっくりと貴女の中へと出し入れを始める。
「・・あっ・・痛・・い」
「痛いなら、止めようか」
「あ、だって・・ああ、やめない・・で」
吐き出せるでもなく鎮まるわけでもない尿意が、貴女の腰を痺れさせる。
「ほら、ここに欲しいんでしょ。本当は」
水色のディルドの先端でアヌスの滑りを塗り拡げた。
「わ・・あ、ああ」
スイッチを入れた。細かな振動とともに玩具が沈んで行く。
「ううぅ・・ああん」
貴女が身悶える。呻きながら背を反らし、次には腰を突き出した。ゆっくりと穿つように奥まで埋めた。その間にも、カテーテルの出し入れを繰り返す。
「あ・・ぅう。で・・ちゃう」
「恥ずかしいねぇ」
「いや・・ああ嫌、だめえ」
「何が出るのか、言いなさい」
貴女は強く目蓋を閉じて、意識を失うまいと激しく首を振った。
「・・あああ・・だめ、もう、だめ」
泣き声が響き渡る。ダメといいながら、腰だけは別の生き物のように淫らな道具達を迎え入れていれる。私はアヌスに埋めた振動玩具を、その先端近くまで一気に引き抜いた。
「くぅ・・ううあああ」
通電されたように貴女が縛り付けら裸体を黒いソファーの中で踊らせた。腰を波打たせた後で、張り詰めて背を反らし、最後に激しく喘いだ。
貫いたカテーテルの脇から細い糸となった体液が放物線を描いて飛び出した。手元のカテーテルからも間欠泉のように吹き出した。部屋は貴女の淫靡な香りで満ちて来た。
絶頂が収まらないうちに、私はディルドを再び沈め、今度はカテーテルと交互に抜き差しを始めた。
首を反らしたままの貴女が喉の奥が見えるほど大きく唇を開いて、声にならない叫びを上げた。
桜色のネイルが自身の足首に食い込んでいった。