冬の物語(3)
指に付けたワセリンを塗り込むように、親指と中指で挟んで擦り合わせる。
白いシーツに横たわる貴女の腰をすこしだけ開かせて、包皮に守られて眠る小さな突起を付け根から、そっと摘み上げていた。
緋色の粘膜の温度に、ワセリンに含ませたメントールの香りが微かに立ち昇る。
貴女の寝息がすこしずつ大きくなるにつれて、指の間に挟まれた小さな痼りが、次第にはっきりとしたカタチになって来る。
静かだった唇が緩んで小さな吐息を漏らし、穏やかだった眉間にしわが寄り始めた。伸ばして開いた足に心なしか力が込められていく。
「あ・・」
吐息に声が滲んだ。可愛く淫らな喘ぎだ。滑る指に押し出されて、包皮の外へと勢い良く雌しべが顔を出した。
「ううっ・・あ」
はっきりと喘いで、貴女が身を捩った。私は片手で貴女の腰骨を押さえて、仰向けに戻す。閉じかけた膝を元のように開かせた。
親指と中指の間で敏感な突起の包皮を捏ねながら、被いから規則的に顔を覗かせる雌しべの先に、人差し指で軽く触れる。
「は・・ああ」
貴女の腰が小さく跳ねた。私は貴女の耳元に顔を寄せて囁きかける。
「逝ってもいいよ。声だしなさい」
夢の中で命じられたみたいに、貴女は目を閉じたまま何度か頷いて舌先で唇を舐めた。感じ始めると、いつも貴女は唇を舐める。
桜色のマニュキアがシーツに食い込んでいくのを眺めながら、同じような速度で私の指は摘んだ雌しべを押し潰す。
「あああ・・」
貴女は、呻きながら声を震わせる。私は強く押し付けてから、指の力を抜く。
「い・・いや」
はっきりとそう口にしてから、貴女は小さな声で続けた。
「もっと、して」
私は摘まむ代わりに、包皮を付け根まで捲り上げる。濡れて艶めいた雌しべが姿を現す。そのまま男性の部分と同じように貴女の雌しべを上下に擦った。
「ひぃ・・ああ、だ・・め」
私は次第に指の動きを早くする。貴女は腰を弾ませ、声を張り上げる。
「ほら、逝きなさい。そのまま逝きなさい」
体を波打たせながら、粘膜を息づかせた。内側のピンクが溢れ出るように蜜の匂いを吐き出した。
「い、いっちゃう」
私は手を緩めない。このまま貴女が達しても、終わりが無いくらいに雌しべを虐め続けるつもりだった。
逝き続ける貴女は、やがて声も出さずに身悶える。私はその姿が見たかった。噴き出す体液で、シーツに大きな水溜まりを作らせたかった。
眠っているのか、目覚めているのか、貴女が彷徨うくらいに。