空中楼閣*R25

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冬の物語(3)

 指に付けたワセリンを塗り込むように、親指と中指で挟んで擦り合わせる。

 白いシーツに横たわる貴女の腰をすこしだけ開かせて、包皮に守られて眠る小さな突起を付け根から、そっと摘み上げていた。

 緋色の粘膜の温度に、ワセリンに含ませたメントールの香りが微かに立ち昇る。

 貴女の寝息がすこしずつ大きくなるにつれて、指の間に挟まれた小さな痼りが、次第にはっきりとしたカタチになって来る。

 静かだった唇が緩んで小さな吐息を漏らし、穏やかだった眉間にしわが寄り始めた。伸ばして開いた足に心なしか力が込められていく。

「あ・・」

 吐息に声が滲んだ。可愛く淫らな喘ぎだ。滑る指に押し出されて、包皮の外へと勢い良く雌しべが顔を出した。

「ううっ・・あ」

 はっきりと喘いで、貴女が身を捩った。私は片手で貴女の腰骨を押さえて、仰向けに戻す。閉じかけた膝を元のように開かせた。

 親指と中指の間で敏感な突起の包皮を捏ねながら、被いから規則的に顔を覗かせる雌しべの先に、人差し指で軽く触れる。

「は・・ああ」

 貴女の腰が小さく跳ねた。私は貴女の耳元に顔を寄せて囁きかける。

「逝ってもいいよ。声だしなさい」

 夢の中で命じられたみたいに、貴女は目を閉じたまま何度か頷いて舌先で唇を舐めた。感じ始めると、いつも貴女は唇を舐める。

 桜色のマニュキアがシーツに食い込んでいくのを眺めながら、同じような速度で私の指は摘んだ雌しべを押し潰す。

「あああ・・」

 貴女は、呻きながら声を震わせる。私は強く押し付けてから、指の力を抜く。

「い・・いや」

 はっきりとそう口にしてから、貴女は小さな声で続けた。

「もっと、して」

 私は摘まむ代わりに、包皮を付け根まで捲り上げる。濡れて艶めいた雌しべが姿を現す。そのまま男性の部分と同じように貴女の雌しべを上下に擦った。

「ひぃ・・ああ、だ・・め」

 私は次第に指の動きを早くする。貴女は腰を弾ませ、声を張り上げる。

「ほら、逝きなさい。そのまま逝きなさい」

 体を波打たせながら、粘膜を息づかせた。内側のピンクが溢れ出るように蜜の匂いを吐き出した。

「い、いっちゃう」

 私は手を緩めない。このまま貴女が達しても、終わりが無いくらいに雌しべを虐め続けるつもりだった。

 逝き続ける貴女は、やがて声も出さずに身悶える。私はその姿が見たかった。噴き出す体液で、シーツに大きな水溜まりを作らせたかった。

 眠っているのか、目覚めているのか、貴女が彷徨うくらいに。