夢の場所 〜冬の物語〜
いつも同じ場所だった。日当りの良い彼の部屋は、冬だというのに二面から降り注ぐ太陽の光で汗ばむほどだった。
私は、その彼の部屋の広いデスクの上で意識が戻る。腰の下が冷たい。朦朧としたまま、手を伸ばすとデスクが濡れていた。
「今日も沢山、漏らしたね」
椅子に座った彼の胸が私の目の高さだ。視界では横向きの彼の胸を、意識の中で縦にする。
「あん・・」
腰からの電流が背筋を走った。お腹が波打ってしまう。水溜まりで身悶える魚みたい。
「感じるんだ。触れただけで」
「だって・・」
照れ笑いをして自分の頬に触れたら、ここも濡れていた。また涙が出たんだ。最近、いつも涙が流れ出る。哀しいわけでなく、快感に溺れている間に流れでいる。まるで愛液みたいに。
子宮がうねりながら震え続けると、勢いよく失禁してしまうのは自分でも気付くことがある。でも、涙は自然に前触れも無く、静かに流れ出る。流れた後に泣き声が喉の奥から溢れることもある。
デスクの上に左肩を下にして横たわっていると陽射しが眩しい。彼の背中越しに真正面の窓から傾きかけた光に照らされる。足元からは柔らかな陽射しだ。
そう、私の花びらは明るく照らされた中で沢山の涙を流した。震える程の歓喜の涙。
「ああ・・もう、だめ」
笑顔のまま、彼の片手が濡れそぼった雌しべを剥き出しにした。ヒリヒリする程に敏感で、自分の包皮が捲れ上がるだけで擦られたように感じてしまう。
「これで触ってみて」
もう一方の手で引き出しをから、銀色の大きめのゼムクリップをつまみ出した。
「はい」
命じられて「はい」とだけ返事をする私を、彼はいつもとても嬉しそうに見つめ返してくれる。
剥き出した雌しべに、彼の指をたよりにしてクリップで触れてみた。
感じる。背中が反って、腰が窄まると、次の刹那、喘ぎ一緒に花びらの内側が迫り出してくる。中身が出ちゃうみたい。
クリップの冷たい硬さにクリトリスの一点だけが熱くなる。灯った炎に意識を奪われる。快感を拡げるようにして、クリップを動かした。
膝が開いて、腰が踊る。足先まで張り詰める。きっと陽射しの中で花びらが呼吸しながら垂れ流した蜜でアヌスまで濡らしてる。
「ほら、アヌスが蜜の泡を吹いてる。いやらしいなあ」
だめだ、言葉だけで漏れそう。
「ほら、違うでしょ。そこはオシッコの場所」
夢中になって快感を追いかけると雌しべから尿道口へと手が下がってしまう。
自分だけでオナニーするときもそうだった。スプーンの柄で気持ちいい場所を探す間に、気がつくとクリトリスよりも下の小さな窪みを刺激していた。
「は・・い。でも、ああ」
「オシッコの出口のほうが気持ちイイんだ」
「・・いや、そんなこと言っ・・ちゃ」
彼の指が雌しべを離れた。今度は両手で陽射しに向かって花びらを拡げられた。
「オシッコのところを弄りなさい。お漏らしするまで」
ああ、だめ。また、漏らしそう。でも・・気持ちいい、きっと。
新聞配達のバイクの音で目が覚めた。まだ夜明け前だった。汗ばんだ胸元に触れると乳首が勃起していた。そのまま片手を太腿の間に挟んだ。
良かった。漏らすわけないのだけれど、布団を濡らしてなくて良かった。でも、誰もいなくなった午後にダイニングテーブルの上でしてみよう。
ゼムクリップ、買って来なくちゃ。