空中楼閣*R25

*リンク先が不適切な場合があります。ご容赦を*

生け花

 暖かな春の空気の中を掻き乱すように肌寒い風が吹き抜ける。

 開け放った猫間障子から直に降り注いだ太陽で解れた乳房を、ひと撫でするだけで強ばらせてしまうような風だった。

 その冷たさが、陽射しの中で貴女の胸を尖らせ続けた。勃起した先端は色づいた波紋が二重に取り巻いている。

「乳輪ごと勃起する乳首は、いつ見ても卑猥だね」

 眩しそうに目を細めていた貴女は、私の言葉に睫毛を細かく震わせて吐息を漏らした。

「そのまま開いておきなさい」

 和室の庭に向かって、両手の指を揃えて左右に拡げているのは、二人で育てている貴女の花だった。少しだけ左の花弁が大きくて、緩やかなフリルを見せながら、縁の色づきも濃くなっている。

 いつもは、その花弁に被われて息づいている右の粘膜ヒダは黒ずむこともなく、産まれたときからのような、つるりとした桃色をしている。

「右は貴女の産まれたときの色、左は大人の女になっていく歴史だね。その色合い」

 私が言葉をかけるたびに、貴女は小さく震えて濡れた唇を緩める。

「もう・・」
「もう、何?」

 陽に晒された花びらは、乾くよりも潤みをましていく。唇よりもはっきりと呼吸しながら、白く濁った蜜を貴女の子宮から溢れさせていた。

「今日は、いつもよりトロリとして濃いみたいだね」
「・・ああ、ダメ・・もう・・」
「いつもは、キスしてあげると透明なのを垂らすのに」
「ねえ・・もう、いい?」
「どうしたいの?」

 目蓋を閉じて、顔を太陽のほうへ向けたまま、貴女の喉が動いた。

「触りたい」
「淫らだなあ。オナニーしたいんだ」
「あぁ・・だ・・って」

 私は貴女の切ない表情と震える性器を眺めながら、ガラス製の霧吹きにミント水を注いだ。

「まだ、水やりもしてないのになあ」
「そんな・・」
「ほら、奥まで日に当てなくちゃ。人差し指を両方沈めて、開きなさい」

 花の蜜へと這う虫のように貴女の左右の指が動いて、白い蜜を垂らす花びらへと左右の人差し指が沈んでいった。

「あぅ・・うう」
「奥まで、よく開くんだよ」
「・・ああ、いい」

 全裸の貴女は、座卓の上で仰向けになったまま、胸元まで曲げた両膝を抱えるようにして、剥き出しの腰をさらに掲げた。

「いつもみたいに、雌しべも根元まで剥きなさい」

 粘膜の奥まで拡げた刺激にアヌスを開いたり窄ませたりしながら、貴女の親指が粘膜の被いを器用に引っ張って、紅い雌しべを剥き出しにする。

「ほら、雌しべの付け根が白く汚れてる。ここも綺麗に掃除してあげなくちゃね」

 私は綿棒を右手に、ミント水の入った霧吹きを左手に持って、貴女の花びらに顔を近づけた。