朝、目覚めて、今日も目覚めた事にそれほどの感慨もないのだか、何となく人生が続いているのか、と半ば安堵する。「心を閉ざした方が、感じられるわ」 明日の朝、目が覚めないのではないか。もう二度とはこの世界に戻れないのではないか、と眠るのが怖かった…
灰色の地平線を見つめて「ロシアみたいな空・・」と貴女は言う。窓の外では、枝だけになった雑木林が春を待ちながら風に震えていた。 私は静かに体を起こして、裸のままベッドの上に膝で立って空を見上げている貴女の腰に、後ろから腕を回した。 鈍色の光が…
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