空中楼閣*R25

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2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

指に宿るのは

手のひらの中の細かな振動が快感を誘い出す。甘い痺れが腰を包み込んで、融かし始めた。曲げた膝を伸ばしたくなって、足の指を折り曲げてしまう。 埋めた人差し指と中指が、粘膜越しに電動玩具の振動を感じていた。「・・ああ」 吐く息が上擦って声が溢れる…

残暑というのだろうか

このところ蒸し暑い。今日が最後といわんばかりに、夕闇の公園で家族連れが盛大に夏の名残の花火に火をつけていた。 さて、今日もまた妄想の世界へ・・ようこそ。どうぞ、ご堪能下さい。貴女自身を濡らしながら。

アクアリウム(3)

二人で過ごす最後の夜だった。「一緒には来てくれないのだね」 「捨てられないもの。ごめんなさい」 そんな未練を持ちながら唇を重ねた。そして、いつものように貴女が呟いた。「縛って・・」 それから、いつもとは違う言葉を続けた。「強く縛ってね。思い切…

アクアリウム(2)

二度目に一緒に過ごした時、唇を交わした後で、貴女は両手を後ろで縛って欲しいと不安げな眼差しで言った。「いいよ」 と言うと、濡れたルージュが「嬉しい」 と微笑んだ。 ベッドの端に座った貴女の手首を、ワンピースの背中で交叉するとバスローブの紐で縛…

アクアリウム(1)

坂道の両脇では、夏の終わりの強い陽射しに緑の雑草が輝いていた。左へと緩いカーブの上り坂に、ハンドルを操作しながら、アクセルを強めに踏んだ。ヨーヨー・マの「リベル・タンゴ」が流れだす。 あの日も、貴女は両手を背中で交叉した。華奢な肩甲骨と背中…

自分へのご褒美は

急に甘いものが食べたくなる。ランチのかわりに、彼に頼んで老舗パーラーのフルーツ&ハムサンドを買って来てもらった。 二人で裸になって、明るいベッドで縺れ合う。窓の外は夏の残りの強い日差しが眩しいくらい。 建物の向かい側は公園になっているから、…

季節の継ぎ目

どうでも良くなって行く力と、押しとどめるようとする力。まるで、奈落へ落ちる寸前までアルコールが回っているような状態かもしれない。酔いへと誘う力と逆らおうとする覚醒の力。 やがて、そのせめぎ合いに疲れてしまって、都合の良い言い訳を思いつく。「…

マニアックな夜

イルミネーション・ブルーが白い肌を妖しく照らす。仰け反った喉元から鎖骨、乳房から下腹部へと砂丘のような滑らかな曲線が、緩やかにうねりながら、時折、小さく震えていた。 半透明の台の上に貴女が横たわって、シーリングはブラックライトだった。その台…

九月の部屋

寝ころんだままで首を反らすと、大きな窓の向こうに空の色が拡がっていた。 クーラーの利いた快適な部屋から、今年、最後であろう夏日の景色を眺めた。インド麻で編んだセンターラグを通して、フローリングの冷たさと硬さが背中に心地よい。 感覚の尖端が甘…

海辺のコテージにて

金色の産毛から夏の残り香がする。背中を横切る日焼けの痕を唇でたどった。 肩甲骨の膨らみから背中の窪みを渡り、もう一方の起伏へと濡らしたら、残り香の背中に十字を描こうと、うなじへと顔を押しつけた。「はぅ・・」 貴女が緊張する。きっと、貴女は羽…

例えば蛍火

過ぎて行くものへの追憶は、これから始まるものへの予感でもある。去り往く季節は、やがて深まる次の季節への期待にもなる。 私が何に拘ろうと、今朝も呆気なく目覚めが訪れたように、流れる時間には澱みも無い。夏を見送るのは何回目だろう、などと馬鹿げた…

午後の言葉遊び

<雨の光に> シートをよぎる木漏れ日の中 粘膜を弄り、指を濡らして 陰核を膨らませ 緑色を透かした光が 貴女の肌を撫でていく 涼しい風に眩しい柔らかな腰 すれ違う車からの視線を 遮らずに・・もっと 自分で掻き乱しなさい 白く濁った淫らが 溢れるまで …

雨上がりのモスグリーン

このところの雨のせいか、いつのまにか街路のイチョウの腰から下が一斉にモスグリーンになっていた。苔むしたのだ。 以前の記憶をたどってみても、この道で苔をまとったイチョウ並木は出て来ない。今年だけの現象なのかもしれない。 昼休みに雨間を見て、銀…

朝の湿度

<出窓の悪戯> 雨上がりの明るい光に 飾り毛の生え際が 綺麗に見える 陰りの剃り痕から 花びらの付け根へと 向かって流れる長い陰毛 毛先だけ指で摘んで 何回か、引っ張ってごらん 持ち上がる恥丘の肌に 連なったフードまで 動かされて ほら・・立ってきた…