羞恥と悦楽と
耳元から聞こえる貴女の声が上擦っている
「胸が痛い・・乳首が・・ああ」
「仕事中に電話した罰ですよ」
貴女は自分のデスクから声を潜めて、電話をかけてきた。オフィスには今は誰もいないから、と。
「だって声が聞きたかっただけなのに、あなたが、こんな事させるから」
「仕事中の電話で感じてるでしょ、と言っただけですよ」
同僚の誰かがいつ戻って来るか判らない状況で、しかも日々のルーチンワークの場で、淫らな香りを期待した貴女は、電話すをすると企んだ時点から、訊くまでもなく濡れ始めるている。
「あなたが、確かめなさい、って言うから」
「気持ちよくなりなさい、とは言ってませんよ。雌しべを確かめなさいって言っただけで」
携帯を片手に貴女は自分のデスクの下で膝を開き、スカートを捲り上げてショーツの中へと指を忍ばせた。淡い飾り毛の向うの膨らみを左右に割って、蜜で湿った雌しべを探り当てた。
受話器越しの吐息を聞き逃さずに、その部分の様子を尋ねた。
「硬くなってるでしょ」
「あ・・あ、うん・・多分」
「ちゃんと摘んで確かめなさい」
思わず声を漏らす貴女に「静かにしないと廊下まで聞こえるよ」と注意した。
「ああっん・・だって、気持ちイイんだもの」
「部屋のドア、開いてたちして」
「う・・うん、そう、いつも開けっ放しだから」
私は更に意地悪を思い付いた。
「触るの止めなさい。気持ちよくなってちゃ、ダメでしょ。仕事でしょ」
「でも・・開いちゃう」
貴女の声が震えていた。
「ほら、人が戻って来るよ。弄るの止めなさい。その代わり・・」
「え・・その代わりって?」
貴女に他の官能を与えないと、本当に自慰に夢中になってしまいそうだった。
「事務用品のゼムクリップありますよねえ。それで挟みなさい。左の乳首」
「・・ああ、そんな、イヤラシい事」
そういいながら、貴女は片方の乳房を出して、その先の突起の付け根をクリップで挟んで、ブラの中へ戻す。
「あ・・痛い・・」
「右にも付けなさい」
「だ・・って、痛い」
「感じてるくせに」
返事の代わりに甘い吐息を返して、貴女はクリップを付ける。
「机の下で膝だけ開いておきなさい」
「ああ・・だって、感じるから・・触りたい」
しどけなく拡げた膝で貴女はきっと踵を浮かし、椅子ごと腰を引いてるに違いない。
「足の指、曲げてるでしょ」
「いや・・ん、言わないで・・我慢できない」
喘ぎながら、目を閉じていそうだった。
「ほら、誰かもどってくるよ。時々、ボールペンの後ろでショーツの上から雌しべを押し潰していいからね。そのまま仕事しなさいよ」
「ええっ、だって、痛い・・乳首」
「それは・・」
仕事中に電話した罰ですから。
「部屋じゅうに、貴女の匂いが広がってしまうかもね」