空中楼閣*R25

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羞恥と悦楽と


 耳元から聞こえる貴女の声が上擦っている

「胸が痛い・・乳首が・・ああ」
「仕事中に電話した罰ですよ」

 貴女は自分のデスクから声を潜めて、電話をかけてきた。オフィスには今は誰もいないから、と。

「だって声が聞きたかっただけなのに、あなたが、こんな事させるから」
「仕事中の電話で感じてるでしょ、と言っただけですよ」

 同僚の誰かがいつ戻って来るか判らない状況で、しかも日々のルーチンワークの場で、淫らな香りを期待した貴女は、電話すをすると企んだ時点から、訊くまでもなく濡れ始めるている。

「あなたが、確かめなさい、って言うから」
「気持ちよくなりなさい、とは言ってませんよ。雌しべを確かめなさいって言っただけで」

 携帯を片手に貴女は自分のデスクの下で膝を開き、スカートを捲り上げてショーツの中へと指を忍ばせた。淡い飾り毛の向うの膨らみを左右に割って、蜜で湿った雌しべを探り当てた。

 受話器越しの吐息を聞き逃さずに、その部分の様子を尋ねた。

「硬くなってるでしょ」
「あ・・あ、うん・・多分」
「ちゃんと摘んで確かめなさい」

 思わず声を漏らす貴女に「静かにしないと廊下まで聞こえるよ」と注意した。

「ああっん・・だって、気持ちイイんだもの」
「部屋のドア、開いてたちして」
「う・・うん、そう、いつも開けっ放しだから」

 私は更に意地悪を思い付いた。

「触るの止めなさい。気持ちよくなってちゃ、ダメでしょ。仕事でしょ」
「でも・・開いちゃう」

 貴女の声が震えていた。

「ほら、人が戻って来るよ。弄るの止めなさい。その代わり・・」
「え・・その代わりって?」

 貴女に他の官能を与えないと、本当に自慰に夢中になってしまいそうだった。

「事務用品のゼムクリップありますよねえ。それで挟みなさい。左の乳首」
「・・ああ、そんな、イヤラシい事」

 そういいながら、貴女は片方の乳房を出して、その先の突起の付け根をクリップで挟んで、ブラの中へ戻す。

「あ・・痛い・・」
「右にも付けなさい」
「だ・・って、痛い」
「感じてるくせに」

 返事の代わりに甘い吐息を返して、貴女はクリップを付ける。

「机の下で膝だけ開いておきなさい」
「ああ・・だって、感じるから・・触りたい」

 しどけなく拡げた膝で貴女はきっと踵を浮かし、椅子ごと腰を引いてるに違いない。

「足の指、曲げてるでしょ」
「いや・・ん、言わないで・・我慢できない」

 喘ぎながら、目を閉じていそうだった。

「ほら、誰かもどってくるよ。時々、ボールペンの後ろでショーツの上から雌しべを押し潰していいからね。そのまま仕事しなさいよ」
「ええっ、だって、痛い・・乳首」
「それは・・」

 仕事中に電話した罰ですから。

「部屋じゅうに、貴女の匂いが広がってしまうかもね」