梓的に
「あぁ・・」
送り届ける電車の中で、隣りの座った貴女が小さな声を上げてから私の腕につかまり微かに震えた。
「どうかした?」
私の肩に顔を埋めそうになりながら、貴女は頭を小さく左右に振ってから姿勢を立て直した。と同時に、握りしめた私の二の腕に爪を立てる。
「大丈夫?」
「・・だめ」
今度は、耳元に濡れた唇を近づけた。ついさっきまで喘いでいた唇。
「不意に来るんだもん。思い出したみたいに、急に子宮が・・」
それだけ言うと俯いて、また、爪を立てた。
「あ・・いや」
今度ははっきりと身を震わせた。電車の揺れでは誤魔化せないくらいに、はっきりと震えた。
貴女の耳元に顔を寄せた。
「漏らした、でしょ」
私の言葉に貴女の顔がさらに俯く。
「さっき、あてたから大丈夫・・かな、でも」
「スカートまで染みたかも、あとで見せてごらん」
「だめ・・って、言わないで・・あ、また・・うぅ」
貴女が私の腕を解放しで、自分の膝の上を包んだ。シフォンのスカートにシワが刻まれていく。
「うそ、あ・・いっ・・ちゃ・・うぅ」
電車が大きく揺れた。貴女が俯いたままルージュの唇を噛み締める。ネイルカラーが膝に食い込む。
貴女の腕をつかんで、そっと引き寄せた。
「出ちゃったね・・前も後ろも」
張り詰めていた貴女が、ゆるりと堕ちた。
「もう一度、注いであげるね。貴女のベッドで」