「あぁ・・」 送り届ける電車の中で、隣りの座った貴女が小さな声を上げてから私の腕につかまり微かに震えた。「どうかした?」 私の肩に顔を埋めそうになりながら、貴女は頭を小さく左右に振ってから姿勢を立て直した。と同時に、握りしめた私の二の腕に爪…
五年前の八月の終わりに、こんな事を書いていた。 「砂時計、風見鶏」 いつの間にか風の湿度が変わった 人の営みなどお構いなしに 過ぎていく時間 目に見えないからこそ油断できない その気配を感じ取るには 心の余裕が必要 鳥の声が変わる 稲の緑色が変化す…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。