空中楼閣*R25

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春に揺られて

 音もなく満開の枝が揺れて、窓の外では風が吹いていることを知った。たわわな桜を眺めながら、揺れている貴女を思った。

「この時間の電車は、人も疎らで、揺られながら心地よくなってしまいます」

 もっと心地よくしてあげようと、私は貴女に囁いてみた。

「膝の内側をゆっくりと小さく、左右交互の擦り合わせてごらん。花びらが擦れ合うように、アヌスを窄ませながら」

 戸惑うように貴女が言葉を返す。

「え・・こう?膝を擦り合わせるのね」

 毎日、雌しべを摘んでいますよね。日ごとに膨らむように。

「え・・ええ、はい。毎晩、虐めてます。言われたとおりに、逝きそうになったら指を離して。でも、それが辛い。気持ち良くて、指が離せないから」

 自慰をするときに、三回以上は昇り詰める手前で焦らしなさいと言ってある。従順にそれを守ってくれているらしい。その証拠に、私と会う時には顔を見ただけで、とても切なそうに瞳を潤ませる。

「ああ、なんだか。じわじわと気持ちよくなってきました。不意に電車が揺れると、声が出そうで」

 そんなに腰を揺らすと変に思われますよ。

「だって気持ちよくて、目が閉じちゃう」

 目が閉じると唇が開いてしまうのでしょ。きっと、もう蜜音がしてますね。

「ダメ・・そんな事、言われたら。もう濡れてるのに」

 駅に着いたら、トレイで確かめましょう。ショーツの色が染みて濃くなっているでしょう。

「・・はい。腰が熱い・・」

 そろそろ蕩けてしまっているだろう。駅に着いたら、知らせなさい。

「ああ、触りたくて・・スカートの前を押させてしまいそう」

 貴女は膝を揺らしながら、太腿の上で拳を握っている。

「もう、駅に着きます。ああ・・立って歩けるかな」

 電車が揺れて、貴女が小さな声を漏らして、ゆらりと立ち上がる。ふわふわと心地よくなって腰でドアへと向かう。

「降りました。トイレに・・行きます」

 私は携帯メールを止めて、貴女への短縮ダイヤルを押した。

「沢山、濡れてるでしょ。トイレまで、ずっとこのまま話をしていようね」

「え、だって、ああ、おしっこも・・したいし」

「だから、ずっとこのままですよ。携帯をしたままトイレに入りなさい」

「ああ、恥ずかしい」

「指、入れさせてあげますからね。三本全部入れて、掻き回す音を聞かせなさいね。お漏らしはそれからですよ」

「・・ダメ、歩けない」