空中楼閣*R25

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2009-04-07から1日間の記事一覧

春に揺られて

音もなく満開の枝が揺れて、窓の外では風が吹いていることを知った。たわわな桜を眺めながら、揺れている貴女を思った。「この時間の電車は、人も疎らで、揺られながら心地よくなってしまいます」 もっと心地よくしてあげようと、私は貴女に囁いてみた。「膝…

桜色の媚薬

乳白色をした白磁の湯飲みに塩漬けの蕾を入れて、彼がお湯を注いだ。立ち上る湯気の中で、桜が身悶えながら解けて行く。「貴女の花びらみたいだね」 彼の言葉に顔が火照りだす。「え・・」 言葉を返せないのは、頭の中にイメージが浮かんでしまうから。彼の…