空中楼閣*R25

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赤い実、食べた

 銀色の糸を曳いて、貴女の声が聞こえなくなる。繰り返していた痙攣が、ひと続きになって、やがて弛緩した。

 花びらだけが嗚咽して、内側を見せながら白蜜を流す。火のように熟したナナカマドと、同じ大きさぐらいの貴女の雌しべは、もう触れることも憚られるほど、痛々しく色づいてしまった。

 それでも尚、貴女はうわ言のように私に懇願する。

「ああ、ねえ。咬んで・・クリトリス、痛くして」

 カマドで七回くべても、燃えないナナカマドのように、貴女の淫らは灰にはならない。

「腰を開いてごらん・・」
「ああ、咬んで」
「まだ、あげない」
「お願い」

 花びらに、ゆっくりと腰を沈める。震え続けた粘膜を押し開く。

 貴女の息が尽きたなら、血が滲むほど咬んであげよう。ナナカマドの真っ赤な実。