空中楼閣*R25

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夏の終わりに


<音もなく雨>


声にならない叫びが
濡れたルージュを震わせる

白いノドを仰け反らせて
切なく眉根を寄せて
足の指を丸めて

音もなく舞い降りる
細かな雨が散りばめられて

万華鏡が映し出されるガラス窓

淫靡なマッサージ器の騒音と
貴女の甲高い悲鳴が

響きわたる部屋

「イキなさい・・コワレルマデ」



<約束という言い訳>


柔らかな唇で
奪うように重ねる

「冷たいのね」

過ぎ行く夏に
肌を映すガラス窓
遠く街の灯が輝き始めて

「次は・・もう」

カラダごと預けながら
ベッドへと押し倒し

豊かな太腿で

腰を挟んで上になり
狂おしげに沈めていく

「逢えないかも知れないのに」

・・貴女

花びらまで涙