空中楼閣*R25

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ドール・ハウス(3)

 二本の指に男の指が割り込んで来た。押し付けられて拡げられる感覚が、霧のように意識を曖昧にした。

「ああぁ・・だめぇ」

 ルールのことなど考えていられなかった。

 実のところ、最後にはいつも大きな声を上げてしまっていた。声を出すなと言われて堪えている時間が長いほど、余計にどうしようもない声が臆面もなく漏れてしまう。

 いったい何本の指が絡まり、どれが自分の指なのかも判然としなくなった。ただ、かき乱された淫らな音と、アヌスへと滴る熱い蜜だけを感じていた。

「ほら、お漏らしですね」
「いや、だめ、だめ・・です」

 腰が波打つたびに、熱い液体が噴き出しては、腰を濡らし背中まで水浸しにした。

「何度、注意してもだめですね。声の罰をあげましょう。お漏らしの罰と両方ですね」

 顔を振って無理だと抗議したが、男は再び両膝を大きく広げて深く折り曲げさせた。脚の間から立ちあがると、一旦、テーブルを離れたがすぐに戻ってきた。

「いっ・・」

 尿道が急に熱くなった。微かに痛みとむず痒い感触が奥へと侵入してきた。

「まだこんなに残っています。管から出てきますよ」

 男は尿道に細い飴色のカテーテルを挿入したのだ。手元を動かされると焼けるような強い尿意が腰に響いた。足元でガラスの音がした。

「中も綺麗に洗ってあげましょう。温かい生理食塩水だから、大丈夫ですよ」

 太いガラスのシリンジに透明な液体が満ちていた。シリンジの口をカテーテルへと繋いで液体を注ぎ入れ始めた。下腹部が温かくなったかと思うとすぐに尿意を催した。

 二回目を注入されて、その感覚は急激に強くなった。左右に顔を振って「駄目」と伝えようとしたが、男はお構いなしに三回目の注入に取り掛かった。

 両手を胸の前で握り締めて漏れそうな感覚を我慢していると震えが起きた。カテーテルが引き抜かれて床に水が落ちる音がすると下腹部が勝手に力を込めた。とたんに水音が大きくなった。

「勢いがいいですね。もう一度しましょうか」

 肘と膝を折り曲げ、下半身だけを露わにして花びらを開いた格好で顔を振った。

「お尻の力を緩めなさい」

 再び、あの感覚が腰を痺れさせ尿意が押し寄せてきた。限界を見計らったように管を抜かれた。その刺激が注がれたものを勢いよく噴き出させた。

 中身が空になるにつれて、全身の力も抜けていった。見られているという恥ずかしさがじわりと湧き上がって、鳥肌の立っていた肌を今度は火照らせた。

「少しだけ入れておくから、漏らしては駄目ですよ」

 男はカテーテルをまた挿入すると温かさを注ぎ込み、今度は慎重にゆっくりと引き抜ぬいた。その速度が疼きを誘う。


 男の手が肩を抱いて、テーブルの上に起こしてくれた。床一面が濡れていた。

 手を引かれたので腰を浮かして濡れた床に両膝を突いた。男が見下ろすようにして私の頬を撫でると「綺麗な顔をして、淫らな子ですね」と言った。

 キャミソールの上から尖った乳首に触れられて、脚の間から液体が漏れおちた。

「可愛い唇に、真っ赤な口紅を塗ってあげましょう」

 まるで花びらを愛撫するかのように男の指が這い回りながら、口紅が塗られた。幾重にも丁寧に塗ってから、何度も顔を眺めて満足そうに微笑んでくれた。

 それから男は静かに立ち上がると、鼻先でズボンのファスナーを下ろし、硬くなった自分を突きつけた。その先端に滲んだ透明な粘液で、ルージュを展ばすように唇を撫でた。

 男の部分が心なしか赤く染まった。腰が押し当てられ、髪に両手が添えられた。唇を開いて舌を差し出すと男が呻いた。

「貴女の舌は冷たくて気持ちいい」

 そうなのだろう。以前にも、私の花びらにキスをしていた男が囁いていた。

「唇にキスするときも、ここにキスしている感じになるのだよ。だから、ここにキスをしていると、ふと、冷たい舌が出てきそうな気分になるよ。それって、とても淫らな気分なんだ」と。

 口の中に広がる弾力を舌先で弄りながら、咽の奥へと導いた。前歯の歯列が男のくびれを捉える位置で、髪を包んだ手が前後に頭を揺らし始めた。

 歯が軽くペニスのくびれを擦るように顎の開き方を工夫すると、冷たいといわれた舌先を細かく左右に動かした。

 男が一段の体積を増していくのが判った。次第に奥まで埋められ、咽に突き当たって嘔吐しそうだ。

 その反射を我慢していると私の咽の粘膜が硬くなった先端を押し戻すらしい。男たちはそれをとても気に入ってくれた。

 男が塗ってくれたルージュは唾液で溶けだして、膨れ上がった性器を引き抜かれた時、タラリと曳いた糸がピンク色に見えた。

 眩しい空を向いてそそり立った性器を揺らしながら、男が私の腕をとって窓辺へと誘った。