空中楼閣*R25

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ドール・ハウス(2)

 男の手が花びらの右脇に触れて意識を引き戻された。全てが曝け出されていた。皮膚を開かれて冷たい刃が触れた。

「ここまでは毛深いのに、途中からは急に短いのだね。お尻の周りにはほんの僅かだ。アヌスの周囲もツルツルにしてあげようね」

 自分で見下ろす限りでは、豊かな飾り毛は蘇芳色の花びらが零れ出る部分で急に密度を失っているはずだ。

 でも、後ろまで生えているのなら、自分の知らない部分を事細かく見つめられていることになる。それだけで充分に恥ずかしい。

 男の指が動くたびに花びらが刺激された。漏れそうになる声を堪えると余計に腰が震えた。ブラの中で胸の先端が硬くなっていた。天井に向けて開かれた腰の中心では、雌蕊が赤く染まって膨らんでいた。

「ここは、お湯がいらないですね。こんなに濡らして」

 言葉を返せないもどかしさが、蜜を余計に紡いで粘膜を蠢かせた。

「ここだけ別の生き物が棲んでいるみたいだね。ほら、触りもしないのにもぞもぞと動いて、お汁を流していますよ」

 刃先が花びらから会陰へと移動していった。

「滑って剃りにくいですね。アヌスごと動くから貴女のホクロを削いでしまいそうですよ。それにしても淫らなホクロ」

 花びらとアヌスの中間にあるホクロを刃の背の部分で縦に強くなぞられた。

「ひぃ……」

 堪えていても声が漏れ、腰が大きく波打ってしまった。削ぎとられたかと錯覚してしまう。

「ここに淫らな虫が棲んでいるみたいだね」
「そんなことない」と小さく呟いた。

 言葉が届いたのか、男の欲情を誘ったようだった。

「声は出してはいけないのですよ。お人形は」

 男の手が少し乱暴に腰を掬い上げ、開いた膝を胸にきつく押し付けて、腕を取ると自分で脚を抑えるように導かれた。

「このままで居なさい」

 そう告げてから、滑らかな肌が露わになった私の部分に男の顔が近づいた。

 指先がアヌスに埋められた。そのすぐ脇を刃物が走って産毛を剃り始めた。刺激されて疼きが迫りあがり、その部分が波打ちそうだった。

 耐えようとして小刻みに震えてしまった。無造作に指が抜かれた刹那、背中が反って吐息が漏れた。

 お湯の音がして、男がその部分を拭い始めた。直接に触れられているような、くすぐったいような不思議な感じがする。

 男の手が開いたままの膝に触れた。

「脚を下ろしなさい。でも、よく見えるように、もっと膝を拡げなさい」

 ゆっくりと足の先から床に触れ、それからつま先で弧を描くようにして腰を開いた。

「ほら、綺麗になったよ。触ってごらん」

 人形なら自分では動けないはずなのにと僅かな反抗心が囁いたのだが、自分の指が起伏に触れた瞬間、そんな気持ちは消えていた。

 官能のスイッチに直接触れた感覚だった。自分の肌なのに自分のものではないような、それでいて起伏からの刺激は酷く敏感に子宮を熱くした。

 飾り毛とともに拭われた蜜が、今度ははっきり分かる程の多さで腰の奥から溶けだしている。

「気持ち良さそうですね。両手で弄ってごらんなさい」

 誘われるように右手の下に左手を潜り込ませた。左の手のひらの中に裸になった起伏を包み込むと包皮を手前へ引いた。

 すでに硬くなっている雌しべが顔を持ち上げて、中指の先に深い快楽の気配を感じた。重ねた右手の中指の先で潤みを探った。

 背中が跳ねるような快感が花びらから駆け上がった。指が溶けてしまうのではと思った。

「隣の指も沈めてあげなさい」

 薬指を中指に沿わせて粘膜の中へ埋めた。声が漏れて自然に膝が折れ曲がり、宙に浮いた足の親指が反っていった。

 重ねた右手の下で、左の中指が雌しべを揺らした。吐息に入り混じる声を他人の声のように聞いた。

「ああ……いい」
「声は出さないと言ったでしょ」
「ううっ……」
「もっと深くまで入れて掻き回しなさい」
「う……あぁ」
「手伝ってあげましょうね」