広がった水田の真ん中にポツンの高台になった場所があって、そこには崩れかけた廃屋と骨だけになった温室があった。 まだ温室にガラスが無事だった時には、田んぼに水が張られる時期には、まるで海原の孤島のようで、そこが二人にとっての秘密の楽園だった。…
桜を追いかけるようにして迷い込んだ午後は、古い家屋の内装をアレンジした和食の店。古木のようなカウンターにひとり通された。 追いかけてしまったのは桜の花弁のせいだけでなく、最初に見かけた桜が古くからの墓地の奥にあったからだし、迷い込んでしまっ…
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