空中楼閣*R25

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2010-02-09から1日間の記事一覧

感覚の深さ

肌の汗が冷えて火照りを冷ましてくれる頃、止めどない痙攣のあとにようやく静かな呼吸を取り戻した貴女が呟いた。「ねえ・・私ずっと、ここに居たよね」 長い睫毛の虚ろな視線が天井を見つめている。「どういう意味?」 私は片肘をついて身を起こした。貴女…

存在の曖昧さ

分別の果実を食べたから、人間は「考える葦」となり、我思うゆえに「だけ」が存在の拠り所になってしまった。「おやじ、死んだ先ってどうなんだ」 バスタブの中から湯気に煙るクリーム色の天井を眺めて、ぼんやりと問うた。「そっちには世界があるのか。教え…