まず最初に遠くの木々が低く唸って、すぐに新芽が大きく揺れて騒ぎ出し、瞬く間にガタガタと物置だかのドアを震わせて、風が吹き抜ける。 窓からの陽射しは肌を射すようで、眩しそうに目を細める貴女の腰を抱き寄せると、その場にしゃがみ込んだ。 素足を両…
蒼穹なれど、風が吹き荒れる朝。陽射しばかりが強く、春の和らぎはない。 このところ、すっかり飽きてしまった。飽きないはずの職業を選んだはずなのに、である。 自分が飽き症で、一度、そうなると厄介だということは、物心ついた頃から判っていたみたいだ…
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