シルクの雨
柔らかな陽射しとともに、部屋のグリーンも伸びをして細かな葉を揺らして春を受けとめる。
ゴールドの真鍮ポンプがガラス瓶に空けて見えるスプレーを片手に、アジアンタムの寄せ植えに霧吹きをする。葉脈に結ばれた水玉が生き物のように膨らんでいく。
「こっち来て、貴女にもしてあげるから」
明るい窓辺へと誘うと、腰を抱いてデスクの上に導いた。
「春のお日様にあてようね」
戸惑う顔の貴女のスカートの裾から両手を差し入れて、張りのある腰から薄布を探り出す。両膝を揃えさせて腰を浮かさせて、いい香りのする小さな布切れを脱がせてしまう。
「開いて、スカートを捲って。お水をあげるから」
「え・・だって、明るい」
「明るいよ。春だもの。私に見せて、貴女の花びら」
「うそ・・だめ」
貴女の膝が自然に開き、指先がスカートの裾を握りしめる。言葉とは違うのが、貴女の素敵なところだな、と微笑んでしまう。助け舟のように手を伸ばし、捲り上げた。
「もっと開かないと、お日様が奥まであたらない」
私を見上げる頬が桃色に染まる。腰の膨らみが明るく眩しい。淡い陰りが光に透けて、春に咲く花のように色づきが綻んだ。
「自分の指で拡げて、奥まで見せて」
「いや・・」
声が甘くなって、握ったスカートの裾を持ち上げて顔を伏せた。それから、太腿と下腹部の間にスカートを束ねると、両手の指を揃えて自分の柔らかさに触れる。左右に拡げた。
花びらから透明な蜜が一筋となって、春色の裏地に染みを作った。
「お水、あげるね」
キラキラと陽射しを浴びて、とろりと蠢く粘膜に向けてスプレーをした。
「ひゃ・・っ」
「動くとスカートが濡れちゃうよ」
飾り毛にも細かな水滴を散らした。小さな光を浴びて煌めいた。小さな雌しべの被いにむけて、水をやる。
「あ・・ああ、だめ」
子宮へと続く薄桃色の奥の部分が微かに迫り出して、花びらの綻びを押し開く。押し寄せたうねりはすぐに退いて、粘膜が引き返す。入れ替わるように絞られた白濁が溢れでる。
「花びらが悦んでるよ」
「いやぁ・・あん」
拡げた足先で踵が浮いて、つま先が曲がる。
「ああ・・どうして、こんなことが感じるの・・ねえ、どうして」
それは貴女が私を受けとめようと開いてくれているから。春の光と甘い水滴を受け止めようと揺れる植物達と同じこと。
もっともっと受け止めて、綺麗に開けば素敵になれる。粘液に濡れて羽化する蝶のように。
「雌しべも付け根まで剥き出しにしてごらん。そこにもお水をあげるから」