空中楼閣*R25

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指結び

 二人の指の間で小さな音がする。

「あ・・ん、そこ・・どこ」

 私ではない誰かに問いかけるように、貴女が呟く。私は返事の代わりに、貴女の中指の爪を押さえつける。呼吸が止まる。濃密に絡み合った二人の指に緊張を加えながら、貴女が張り詰める。

「はうぅ・・」

 張り詰めた頂きで、不意に弛緩が訪れる。切なく喘ぎながら波打つと、また息が止まり小刻みに震え始める。押し付けていた貴女の指から力を急に抜いた。

「・・ああ、動いてる。こんなに」

 今年最初のキスをして、シーツの上で腰を開かせた。

 溢れていた貴女の透明を指で塗り付けながら、粘膜の奥へと人差し指を進めた。頬張るように抱き締める火照りを柔らかく押し広げてから、中指を添わせた。二本の指先で細かなヒダを数えるようになぞって、貴女の腰へと快感を滲ませて奥深くから溶けた濁りを手繰り寄せた。

 貴女の指を花びらへと誘う頃、濃度をました銀糸が二人の指に絡み付き、滑らせながら指を結びつけた。奥まで触れさせてから、貴女の指をもう一本、誘った。

「そんなのコワれちゃう」

 背を反らして、貴女が悦ぶ。小さな蜜音を奏でながら、貴女の中を泳ぎ、戯れる。揃えた貴女の指先を割るようにして、私の中指がヒダを押し返した。

 濃密な貴女の空間で互いの指が蕩け出す。

「ここ・・イイんでしょ」

 強い弾力を二人の指で抑え込んだ。

「・・ああ、でもダメ」

 抗うように押し返して来る熱を、また抑え込む。その繰り返しが波を起こし、ウネリとなって貴女の腰をゆるりと揺らす。

「気持ち良さそうだね」
「だめ、だめ・・そこダメ・・あああ」

 左右に揺れた腰が、上下に弾む。手のひらで包んだ貴女の手の甲からサラサラと熱が流れ出た。

「ほらね、気持ちイイから、お漏らししてる」

 目を閉じたまま、貴女が首を振る。

「い・・じわる」

 白濁のジュレに包まれた貴女の指を置き去りにして、私は指を引き抜いた。爪の先に滴る愛蜜を開いた緋色の縁から真下へと塗り付けた。

「あ・・あっ。そこ・・いやあ」

 もう一つの貴女の場所に指を埋めた。今度は、粘膜を挟んだまま貴女と指を・・

「絡めようね」