曲線が好き
枯れないで待っていてくれた。留守の間、水も貰えずにいたプランターの花が、無事だった。
人間の身勝手で連休ともなれば、命の潤いも絶たれてしまう。だから、朝になって健気なグリーンを見た時に、これまた身勝手ながら安堵した。
「私だって、枯れちゃうわよ」
指の腹で柔らかな曲線をなぞる私に貴女が腰を捻った。ああ、いいなあ。このラインが好きだな。
「そんなにクビレテないわ・・」
でも貴女のラインが好きだから、追いかける指も嬉しくて仕方ない。腰の頂きから下腹部の膨らみへ、太腿の間から潤みを隠す起伏へと、指先を滑らせる。
「全然、枯れてないでしょ」
「もう少し放っておかれたら、枯れはしないけど、他の人にあげちゃったかも」
そんな憎たらしい事を言う紅い唇に、もう一方の手で触れた。指先で唇の形をなぞると、舌先が私をくすぐり始める。
貴女の吐息で私の指の間が潤み始める。中指を唇の狭間に潜らせる。人差し指で花びらのフリルをなぞってみる。
潤みが私に絡み付く。貴女の唾液、貴女の蜜。貴女の唇、貴女の花びら。
「あ・・ん」
その声が好き。蜜の匂いが好き。透明な糸に濡れた唇が好き。
「寂しかった?」
「ん・・それ、疑問形なの、それとも・・自分のこと?」
指を粘液に沈ませる。舌先が絡み付き、粘膜が蠢いた。
「寂しかったよ。ほら、こんなに」
指を深くする。舌の付け根に触れて、貴女の奥を探り出す。人差し指を添わせて貴女の蠢く舌を捕まえる。中指を添わせて、貴女のヒダを確かめる。
「うう・・あああ」
そう、その声が好き。その腰の震わせ方がいい。膝を開いて、足を伸ばして、唇を緩めて、眉根を寄せて・・喉を反らして、背中を浮かせる。
ほら、潤みが溢れてきた。枯れないで待ってくれていたんだね・・貴女。