空中楼閣*R25

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弛緩する身体

 奥まで含むたびに、鎖が床を叩く。巻き付けた紅い皮の首輪の重さを感じさせられる。

 自分で自分を犯すように、喉の奥までディルドを呑み込む。嗚咽を数回堪えると、意識が遠ざかる。

 力が抜けて腰が落ちる。床に突いた膝が左右に滑って、腰が開く。ベルトで固定された淫らな蝶の小さなペニスが、私の奥を掻き乱すピンクの玩具を子宮に押し付ける。

「ううう・・あ」

 快感が背中を駆け上り、意識が引き戻される。脊髄だけで動くカエルの反射みたいに、身体を反らす。

 戻った意識はすぐに快感に包まれる。息継ぎのような理性に邪魔はさせないぞと、私を溺れさせる。

「どうした。お尻が欲しそうに揺れてるなあ。いやらしい」

 滲む視界の先で彼の声がする。

 どうして、唇が気持ちイイんだろう。シリコン・ラバーで覆われた性具を舐めているだけなのに。

 お腹の中で暴れ回るピンクの繭が、ぼやけてしまいそうな存在と時々、主張する。花びらの入り口に張り付いて、私の中へと食い込んでいる蝶々は、音の高さを変えながら蜜を絶やすまいと汲み上げる。

 あ・・また、逝きそう。遠くから強い疼きがカタチを現す。

「お尻が緩んだり、窄んだりしてるでしょ。欲しくて仕方ないんじゃないかな」

 逝きそうなのに、そんな事、言われたら。腰の奥が収縮して熱くなる。あ・・ダメだ。

「あああ・・だ・・め」
「口にくわえただけで、逝くんだ。イヤラシいねえ」

 彼の声が遠くなる。子宮のケイレンが腰を波打たせ、乳房を強ばらせる。気がつくと、吐き出したディルドを両手で握りしめていた。

 力を抜こうと、吐く息が震えてしまう。

「入れなさい」

 彼の声がする。入れる・・自分でお尻に、自分の唾液に塗れた男性を突き立てる。

 ああ・・いやらしい。そう思ったとたに、蝶が蠢く。繭が跳ねる。だから・・ダメって・・ああ、身体が波打つ。

「また、だね。止まらないんだ」

 唇から唾液が溢れる。

「お尻からもヨダレが出てそうだね」

 そんな事・・ない。

「入れなさい。ほら、自分のお尻に」

 だめ・・オカシクなるから。