空中楼閣*R25

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新しいスケッチ


匂い(1)


宵闇のなか
川面を渡る風に吹かれて

青草が濡らすサンダルの足先を思う

甘噛みをした足指と
貴女の吐息が蘇り

湿った髪に手のひらで触れた

熱が包んだ腰の硬さを
嗚咽する喉の奥まで深く沈めて

含みながら、お漏らしなさい・・草の上

私の両手に震えを伝えて
白い霧ととともに立ち上る

貴女の匂い



肌色(2)


ブロアバスの透明な光に
柔肌が白く美しい

初めて褒めてくれたと
不意に涙ぐむ貴女

回した腕で後ろから
夾竹桃の花色を

温もりの中で左右に開かせ
頬伝う涙を舌で味わい囁いた

その肌を染めてあげよう
紅く哭かせて狂うまで

真白なシーツの海で
泣き顔も

・・好きだから



結い髪(3)


木々の向うに窓の明かり
貴女を待つ家族の気配

編み込んで結んだ上げ髪を
爪の先でなぞって

貴女の香りを
もう一度、含ませる

開いた膝が小さく震え
蜜音の囁きが喘ぎに変わる頃

肩に食い込む貴女の指の
プラチナリングが

私の頬に冷たい

・・来月結婚します。

六月の花嫁の花びらをいらう夜



吐息(4)


閉ざしかけたカーテンからの
午後の光が帯となって

開いた肌に眩しく巻き付く

明るい時間に急に呼び出しては
いつもキスまでしか許さないのに

前ボタンを外す指を止めもせず
午睡に沈んだふりで

されるがままの眠る美女
誘うキスには夢見るように

可愛く差しだす舌先
妖しく溢れる吐息

裸に剥かれ・・明るさのなか

初めて貴女の花びら匂い
指先に染み込ませ

硬くなる乳首に糸を曳かせる

「・・ああ、もう、こんな時間」

淫靡な夢から醒めたように
さらりといつものキスだけをして

肌を隠して起き上がった

「帰らなきゃ、彼が戻って来るから」

指先に残る貴女を味わう
秘密の時間は白昼夢