歪んだ心で
床に落として散らばった一円玉二枚の行方すら追えない私に、貴女の心の移ろいなど捕まえられるわけもなく、まして二人の未来など見えはしない。
不意にその感情は湧き上がり、苛つくように残虐になっていく。とはいえ、せいぜい貴女の乳首に爪を立てつづけるくらいが関の山なのだが。
「痛っ・・いたい」
この瞬間がずっと続けば良いのにを思う。私の爪が貴女の乳首に永遠に食い込んで、貴女の全てが乳房の先の痛みに囚われ続ければ良いのに、と思う。
痛みを与えながら、腰を深くした。
「あ・・ああん」
貴女の腕が私の腰を捕まえ、深く曲げた足の間に引きつける。貴女の塊に触れている先端で、その弾力を小刻みに揺らしてみた。
「ううぁ、ああ。そこ、イイ。あっ・・痛・・い」
爪の先を乳首の付け根に食い込ませる。眉根を寄せた貴女が首を横に振る。消えない痕跡をつければ、貴女を見失わないだろうか。貴女の肌に私が棲み続けられるだろうか。
「痛いって、痛いぃ・・ああ、ああうぅ」
腰を揺らす。突き上げる。押し付ける。急に退いて、また深くする。
「・・ああ、いい」
「ココが感じるでしょ」
「う、うん。ああ、そこ、そこが」
今度は首を縦に降る。真っ赤になって歪んだ乳首を更に痛めつける。
「いっ・・痛・・ああ、ダメ痛い。もう・・イヤあ、だめ、千切れちゃう」
交わりを押し付ける。貴女が喘ぎ声を上げる。指先に力を込める。貴女が悲鳴を上げる。
「もっと・・ああ、いい」
激しく揺らす。穏やかに動かす。強く食い込ませる。急に緩める。
「痛いの?」
「あ・・う、ううん」
「気持ちイイの?」
「ああ・・あ、あっ」
「どっち・・なの」
舌先を這わせながら、耳元で囁き続ける。耳たぶに軽く歯を立てる。乳首を痛めつける。
「も・・もう。ああ、もっと、痛くして。もっと」
交わりを深くして、強く先端で子宮を押し上げる。
「ああ・・そこ、あああ、もっと」
「痛くないの?千切れそうだよ」
食い込ませた爪を捻る。押し付けた先端を揺らす。
「千切って・・ああ、もっと強く・・いいの。気持ちイイの」
貴女の奥が私を握り返す。私は乳首の付け根を捻り潰す。濡れた耳を噛み、貴女の爪が私の腰に痛みを刻む。
「逝って・・中で、逝って」
うわ言のように、貴女が私の意識の中を彷徨った。明日になっても、明後日になっても、互いの傷が残りますように。