キスから始める

　いつもより乱暴に後ろからベッドの押し倒し、スカートを捲り上げた。ストッキングとショーツを剥いでから、ペースを落とす。

　ゆっくりと手のひらでヒップを撫でてから、目の前に現れた腰の二つの膨らみの狭間へと、骨盤を撫でるように指を滑らせた。

「あ・・」

　貴女の吐息とともに、狭間が身を強ばらせる。緊張した隙間を解すように唇で触れ、舌先を伸ばした。

「・・ああ」

　唇から溢れるのと同時に片方の膝をすくって折り曲げると、きつく閉じていた狭間が開いた。綻んだ部分に両手の指を割り込ませ、少し強引に左右に開いた。

「い・・いや、ダメ」

　肌色から褐色へのグラデーションの中心で、貴女のアヌスが呼吸する。

「キスしてあげる」
「あぅ・・だ、だめって・・汚れてる」

　ここにキスされたい、と言っているようなものだ。わざと外そうかと、ふと思ってみたりもする。少しだけ間を取った。

　身を縮めて快感を待っているかのように、貴女の部分が小さく呼吸する。言葉とは裏腹に、素直に求めて来る貴女の肌が愛おしいくらいだった。

　期待通りの場所にキスをあげることにした。

「う・・ああ」

　舌を届けるまえから声を漏らした。伸ばした舌の先を吸い込むみたいに、褐色が窄まる。

　私を口を大きく開けて、舌を伝わせて唾液を垂らす。唾液で溶かしてしまうエイリアンみたいな気分だ。捕まれていた舌先が自由度を増して来る。誘われた貴女の部分が口を開く。

「あ、まだ、シャワーも」

　遠くからの喘ぎ声が心地よく脳に響く。愛撫のように私を酔わせる。

　太腿の間に肩を進めて、潜り込ませた舌先を包むように自分の唇を近づけた。

「ひぃ・・・」

　声が途切れる。押し付けるようにして、唇とアヌスを開いていく。開かせておいて、舌先を更にすすめる。

「だ・・だめ、って・・ああん」

　貴女が背中を反らすと、腰が沈む。沈んだ腰を片腕で浮かせ、空いている手で羽枕を探り寄せて、俯せの腰の下へと敷き入れた。

　自然に貴女の膝が開くのか、愛撫しやすくなった。押し付けた唇で強く吸った。心地よい啼き声が上がる。力を込めて舌を突き出してから、わざと音が立つように勢い良く唇を離した。

「う・・ああっ」
「感じるんだ」

　開いた腰を掌で撫で回した。その中心で歪んだショーツからはみ出した褐色が震えていた。

「濡れてるよ」
「あぅんん」

　イイ声だ。指の先で唾液に塗れたアヌスを弄った。小さく円を描いてから、芯に沈めた。

「くぅ・・」

　貴女が腰をくねらせて、肩を震わせた。もっともっと、心地よい音色で啼かせなくなった。