空中楼閣*R25

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キスから始まる

 彼に背を向けるといきなり後ろから抱き締められた。そのままベッドへと押し倒される。

 スカートを引っぱり上げられて、腰の熱が解放される。言葉では抵抗するけれど、自分から腰を浮かして心なしか膝を緩めてしまう。

 微かな動きを見透かすように、彼の手がパンストをずり下げる。

「あ・・いやっ」

 まだキスもしていないのに、溶け始めている蜜の匂いを彼に気付かれるのが恥ずかしい。

 指がヒップの膨らみを撫で上げて、そのまま脇からショーツに中に滑り込む。

「あぅ、そんな」

 彼の動きが潤みの脇で静止した。今度は、手繰り寄せるように指先が肌に食い込む。閉ざしていた部分が引き攣れて、粘膜が口を開いてしまう。

「ああ・・そこ、いや」

 指は潤みではなく、そのすぐ後ろの粘膜を狙っていた。触れられた瞬間に、そこが反射的に窄まった。同時に、半開きになった花びらが奥のほうから閉じようとする。

 溶けた蜜が絞り出されて来るみたい。

 ショーツの湿った部分を指で吊り上げて、反対側へとずらされた。窄まった後に緩み始めたアヌスが彼の目に晒される。

「だめ、恥ずかしい」

 私の言葉の意味など彼には届かない。彼の耳には媚薬のような心地よい音色としてしか響かない。私の口から溢れる声は、言葉では無くて音色。

「あ・・」

 半分だけ裸にされた腰を撫でられると、音色が甘くなってしまう。

 緩んだ唇とは逆に腰が締まる。すぐに濡れた熱が肌に触れる。彼の舌先が窄んだ部分を解こうとする。

「・・ああ」

 腰まで緩み出す。その瞬間に、膝を掬われて大きく開かれてしまう。

 ああ、彼の目にアヌスが丸見えになってしまう。不自然に引っ張られたショーツが花びらに食い込み、雌しべを刺激する。

 いやだ、溢れてしまう。心を読み取られているみたいに、彼の両手が私を左右に引き裂いた。

「い・・いや、ダメ」
「キスしてあげる」
「あぅ・・だ、だめって・・汚れてる」

 彼のキスが「その部分」へだと勝手に決めつけてる。そんな自分に腰が蕩ける。

「う・・ああ」

 弾力ある熱が触れた。その部分から溶けていく。鈍い快感が痺れとなって下半身を包み、子宮を溶かすと花びらへと疼きが流れ出す。

「あ、まだ、シャワーも」

 私の言葉は媚薬という音色でしかない。拒もうとしながらも緩んでしまうアヌスの内側へ、彼の舌先が入り込む。

 背を反らして上げた視線が霞み始める。目に映った部屋の壁が、存在を失って行く。

 私の言葉が彼にとって音色なら、この空間は私にとって、心地よく漂うだけの液体になる。ただ、それだけの空間になる。

 ふと、思った。ここは、心地よく水が満ちた水槽かもしれない。