空中楼閣*R25

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午前十時

 秋空の透明な青色のように冷えこんだ空気が、高くなった陽射しに温められて、ベッドの上での遅い珈琲タイムを包み込んだ。

 窓を半分だけ開けて、昨夜の官能を珈琲の香りと入れ替えた。

 気だるそうな表情の貴女の髪を撫でてから、床の上で絡まっている柔らな布を拾い上げて、紐を解くように元へともどす。

 ワインカラーの貴女のティーバック。

花蕾


「気持ちいい・・わけではなくて」

膝を突いて腰を上げて
片手で支えながら

「我慢、できない感じ」

Tバックのストリングを
右手でずらして見せる

もう一つの粘膜・・貴女の色

「でも・・」

露わな蕾に
舌先をあてがうと

迫り出しては窄まって
恥ずかしい声で蠢いてしまう

「だめ、いっちゃう」

・・アナル


 昨夜、虫の声を聞きながら、ワインを口移しして、最後には互いの性器を含んだワインで濡らし合った。

 目覚めたら、白いシーツのあちこちが薄紅色に染みていた。その中に、ひとつだけクリームイエローの染みを見つけて、指差して、珈琲を飲む貴女をからかった。

 貴女がこぼしたんだよね、と。

境界の色


赤みを帯びて
アロマが匂い立つ

快感に耐えられずに
戦慄く膝と波打つ下腹部

閉じることも許されず

近づけた視線の先
薄布に被われた部分

溢れだす陰唇の輪郭に
指先でそっと触れながら

このパールホワイトの
縁取りのステッチに沿って

舌の先を這わせたら

逝ってしまうのですね

・・貴女


 今日はパールホワイトのショーツを穿かせてあげる。午後の日溜まりでは、貴女が紡ぐクリームイエローが見たいから。