ブランケット・デイ
肌寒い雨の日は、彼に背中から抱かれたまま、全裸でブランケットにくるまって、窓ガラスを滑り落ちる雨粒を眺めるのが好き。
彼の呼吸と肌の温度を背中で感じながら、花びらを擦る彼の硬さに目を細めて意識を霞ませる。
時々、胸の先で悪戯をする彼の指に、吐息を漏らして目を閉じる。
「だめぇ、痛くなってきた」
虐められすぎると、すぐに乳首がヒリヒリと痛み出す。
「痛いの好きなくせに」
耳元で囁いて、舌先を這わさせる。押し付けていた腰が思わず動いてしまう。
「いやらしい、腰の動きだね」
だって、耳の後ろは弱いのを知ってる癖に、意地悪をする。
「痛っ・・ああ」
だって、と言おうとしたら、その前に乳首を摘まれた。彼の指がじっと赤くなった突起を摘みつづける。
痛みが痺れになって、甘くなる。腰の奥が波打ちそうになる。肌がじわりと火照り出す。
「痛いでしょ。止めようか」
続けて欲しいのを知ってて、彼は訊ねる。ちゃんと言ってあげなくちゃ。
「ううん、嫌、ダメ。ああ、痛いけど・・気持ちイイ」
演技ではなく、素直に気持ちいいから、そう口にする。少しだけ振り向いて、彼の嬉しそうな目も見たいから。
彼の指が急に離れる。自由になった乳首からの痛みの余韻が背中を疼かせる。
「抱いてるときは、いつも硬くしておかなくちゃ。乳首」
「あん・・ふふ、ここも」
私は、そう言って、自分の腿の間からお尻に片手を回して、彼の硬さを確かめた。
指先で粘液を味わって、優しく撫でた。
「ねえ・・後ろから、欲しい」
小刻みに動かしてから、彼がゆっくりと入って来る。ブランケットの中の空気が肩口から抜けて、二人の匂いと湿り気が顔を撫でた。
「温かいね」
「うん、温かい」
二人同時に同じ事を口にした。私は貫かれたままの姿勢で、膝を深く曲げた。彼の手が足先を包む。
「ああ、いい気持ち」
素直に声にした。
雨の木曜日は、ブランケット・デイ。